2026年7月法改正アップデート:ベトナムでビジネスを行う日本企業が押さえておくべき4つのポイント
2026年7月1日より、ベトナム政府は税務・電子インボイスに関する一連の新規制を正式に施行しました(政令254/2026/NĐ-CP、政令252/2026/NĐ-CP、通達89, 90, 91/2026/TT-BTC)。以下は、ベトナムで事業展開中、または今後の進出を検討されている日本企業・投資家の皆様に直接関わりのあるポイントです。

外国契約者税(FCT):より柔軟に、しかし継続的なモニタリングが必要
多くの日本企業は、サービス契約、機器供給、技術移転などにおいて、外国契約者税(Foreign Contractor Tax, FCT)の枠組みでベトナム側パートナーと契約を締結しています。今回の新規則では、以下が追加されました:
・源泉徴収が発生しない月については、ベトナム側は当該月のFCT申告書を提出する必要がなくなりました。これにより、不要な行政コンプライアンス負担が軽減されます。
・既申告税額に変更が生じた場合の確定申告義務、および同一の海外パートナーと新たな契約が追加発生した場合の納税者番号追加登録に関する具体的な規定が設けられました。
日本企業への影響
現行のFCT申告プロセスを見直す必要があります。特に、月によって納税義務の発生・不発生が変動する長期契約については、申告漏れや修正義務の見落としを防ぐための確認が重要です。
外国人専門家・従業員の個人所得税:確定申告期限がより明確化
ベトナムに駐在員・専門家を派遣している日本企業にとって、非常に実務的なポイントです:
・暦年での滞在日数が183日未満であっても、初回入国日から起算して連続12ヶ月以内に滞在日数が183日に達した居住者については、初年度の個人所得税確定申告期限は、当該連続12ヶ月終了日から起算して4ヶ月目の末日までとされました。
・所得支払組織(ベトナム国内の日本企業を含む)は、四半期ごとに個人所得税の源泉徴収・申告を行うとともに、年次確定申告も行う義務があります。
日本企業への影響
ベトナムへの初年度駐在となる専門家について、人事・経理部門は確定申告スケジュールを改めて確認する必要があります。申告遅延や183日基準の誤算定を避けるためです。
電子インボイス:サービス業種におけるインボイス発行タイミングの変更
新規則では、データ照合完了後(照合期間終了日から7日以内)にインボイスを発行できる業種の範囲が拡大されました。対象業種は以下の通りです: デジタルサービス、情報技術、暗号資産、カーボン取引所、保険、警備、旅客輸送など。
また、夜間の小売取引について自動インボイス発行システムを持たない事業者は、翌営業日までにインボイスを発行することが可能となりました。
日本企業への影響
IT、デジタルサービス、保険、物流分野の日本企業に特に関連します。より柔軟になった発行期限を活用しつつ、インボイス発行時点の違反を避けるため、発行プロセスの見直しをお勧めします。
納税者情報の公開:事前対応が求められる信用リスク
2026年7月1日より、税務当局は以下のケースについて毎月定期的に自動公開を行います:
(i) 納税期限を90日以上超過した場合、
(ii) システムによるインボイスリスク警告に対して説明ができなかった納税者。
日本企業への影響
信用を重視する日本企業の企業文化において、このポイントは特に留意が必要です。インボイスリスク警告や納税義務を社内でモニタリングする体制を構築し、公開リスト掲載を防ぐため、迅速な説明対応ができるよう備えることをお勧めします。
📌 これらは技術的な改正内容ですが、FDI企業、特に駐在員を派遣し、海外契約者との取引を行う日本企業の日常業務に直接影響を与えるものです。Solara & Co では、貴社の事業モデルに応じた具体的な影響評価およびコンプライアンス対応ロードマップの策定を支援いたします。
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